語学力が鍵になるトラベルクリニックの看護師

トラベルクリニックは、あまり聞き慣れない名称だが、これから海外に渡航する人や、海外から帰国した人が受診するクリニックのことを言う。持病があったり、日本で病気になってしまった訪日外国人の方も来院するため、トラベルクリニックに在籍する看護師には語学力が欠かせない。

海外では指定された健康診断書と予防接種証明書を提出しなければならない国があり、どちらもその国の公用語か英語でなければ提出できないようだ。また、検査結果や投薬履歴も公用語か英語で書く必要がある。したがって、医師だけでなく、看護師も英語力がないと業務に支障が出てしまうのだ。

ただし、ほとんどのトラベルクリニックは、英語検定やTOEFLなど、英語力を図る証明書の提出を求めることは滅多にない。しかも、万が一英語が理解できなくても、旅行先として人気のある国の公用語をマスターしていれば、優遇される傾向にある。人気のある国は、フランスやイタリア、デンマークなどの欧州や北欧、中国やマレーシア、インドなどのアジア圏だ。そのため、これらの国の公用語をある程度理解できれば、たとえ英語力に自信がなくても活躍のチャンスはある。

それから、トラベルクリニックで働く看護師は、ワクチン接種や健康相談、血液検査などを担当することになるが、これらの業務は一般的なクリニックとそれほど変わらない。そのため、高度な看護スキルがなくても問題ないのは注目すべき点だろう。トラベルクリニックは求人数が少なく、競争率は高いがもしれないが、業界に精通した転職エージェントを活用すると、好条件の職場を見つけられる可能性は高まるかもしれない。